本日ご紹介させていただくのは、石角完爾さんの著書「ユダヤ人の成功哲学タルムード金言集」です。
皆さんは自身の財産を失いたくはないと思いますよね?私もそう思います。
しかし、財産を築くことは大変な一方で、失うことはいともたやすく、誰しもその危険性を抱えています。
そこで、本書がオススメです!この記事では、億万長者の多いユダヤ人の普遍的な成功原則のルーツとなっている聖典タルムードに載っている説話とその教訓を紹介しています。
その説話から「財産を失わないための原則」にフォーカスしてご紹介するこの記事は、あなたが財産を築くヒントとなると思います!
ぜひこの記事を読んでユダヤ人の智恵と教訓を通じて、財産を守りながら築く方法を感じていただけると嬉しいです!
◎この書籍はこんな考えを持つ方におすすめ!
・財産を守る秘訣が知りたい
・お金や人生について不安や悩みがある
・子供にもわかりやすい金融教育の書籍を探している
・他人についつい財産の自慢をしてしまう
○「タルムード」とは
○説話『金の冠をかぶった雀』とは
○なぜ財産を見せびらかすと身を滅ぼすのか
○ユダヤ人の「受け取る利益」に対する考え方
タルムードとは
タルムードとはユダヤ教の聖典で、様々な説話を通して、「生活上のあらゆる問題の助けとなる教え」を学ぶことができ、ユダヤ人にとっては考え方のルーツといえるかもしれません。
そして、このタルムード教えはビジネス書などで度々注目されます。
本書では、タルムードの説話をわかりやすくまとめ、説話ごとの教訓を解説してくれます。
なぜ注目されている?
ではなぜ、このタルムードの教訓が注目されているのでしょう?
その理由の一つに、ユダヤ人に「お金持ち」「頭脳が優秀」な人が多いということが挙げられます。
世界の人口の約0.25%のユダヤ人が、ノーベル賞受賞者の20%を占めていることや、『フォーブス』の長者番付で、ユダヤ人が常に上位を占めていることがそれを物語っています。
そして、そんな優秀なユダヤ人が、子供の頃から習慣的に教えられてきたタルムードの教訓が、成功のルーツとして世界でも注目されているのです。
説話『金の冠をかぶった雀』
この記事では、タルムードから「金の冠をかぶった雀」という説話を紹介します。
起:雀たちが王様を助けたところ、王様に「何でも欲しいものをあげよう」と言われる
ユダヤの最も有名な王様、ソロモン王が鷲の背に乗って空を飛んでましたが、体調が悪く、鷲の背から落ちそうになってしまいました。
するとそれを見ていた雀たちが、ソロモン王が落ちないように助けました。
それを感謝したソロモン王は「お前たち雀に何でも欲しいものをあげよう」と言いました。
承:雀たちは、もらうものを議論。様々な意見があげられる。
雀たちは巣に戻り、何をもらうか議論しました。
意見の中には「「いつでも身を隠しておけるブドウ畑」「いつでも水が飲める池」「いつでも食べ物に困らないように、野原に落穂をまいてもらう」などの意見がありました。
そんな中、「ソロモン王と同じように、金の冠をかぶって飛んだら、さぞかし誇らしくて格好いいだろう」という意見が上がったところ、雀たち全員がその意見に賛成して、議論がまとまりました。
転:議論の末、王様に金の冠を要求。王様がそれに難色を示す理由とは。
雀の代表がソロモン王のところに行き、「ソロモン王と同じ金の冠を雀全員にください」と申し出ました。
それを聞いたソロモン王は「あまりいい考えではないな、もう一度考え直してきてはどうだ」と助言しましたが、雀は「冠をください」と助言を聞かないため、ソロモン王は雀たちの願いを叶えました。
*結末を知る前に、なぜソロモン王は「あまりいい考えではないな」といったのでしょう?
その理由について予想してみましょう!
結:絶滅寸前の雀たち。平和のために雀たちがとった行動とは
金の冠かぶった雀たちは、嬉々として空を飛びまわりました。
しかし、今まで猟師たちは、雀には目もくれませんでしたが、金の冠を雀がかぶっているために、全国で雀が狩られるようになりました。
そして、ついに最後の5羽まで狩られた雀たちは、ソロモン王のもとへ向かい、「私達が間違っていました。金の冠はもういりません」と言い、冠を取ってもらいました。
それから雀たちは少しずつ平和を取り戻していきました。
END
財産を見せびらかすと、身を滅ぼす
上記の説話から、皆さんは何をお感じになられたでしょうか?
この説話テーマは「財産を見せびらかすと、身を滅ぼす」という原則です。
そのテーマを前提に、私の感じた教訓をまとめさせていただきます。
①人目には、雀として映るほうが安全
あなたが、他者から狙われるようなことのない強者でない限り、たとえ努力してお金が儲かったとしても、他者からは雀のような弱者に映るように振る舞うほうが良いでしょう。
他者に財産を見せびらかす行為は、油断や慢心を生むだけにとどまらず、他者から狙われることすら引き起こすからです。
説話の雀も、金の冠という目立つ財産を頭にかぶり、目立ちながら飛び回った結果、猟師に乱獲されてしまいました。
普通の雀のままであれば、猟師から狙われることもなかったでしょう。
財産を見せびらかす弱者は他者から狙われ、財産を失います。
むしろ他者から弱者と思われているうちに、目立たず、少しずつ利益を積み重ねていくことが大切であり、それこそがユダヤ人式のリスク管理方法の一つでもあります。
②大体の人は雀側
上記の教訓を見て、「それならば強者になればいいじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし残念ながら、世の中のほとんどの人は弱者であり、狙われる側です。
むしろそこに自覚的でないこと自体が危険です。
実際、雀たちは、自分たちが狙われる側だと自覚していないからこそ、金の冠をかぶって、躊躇なく飛び回りました。
どんなに強者になったつもりでも、上には上がいます。
例えば、日本の大金持ちであっても、アメリカではそれを遥かに凌ぐお金持ちがいるというイメージは想像に難くないと思います。
お金持ちになったつもりでも、金銭的な上位コミュニティーは更に上が存在するのです。
大事なことは、自分は強者ではないと自覚することです。
強者ではないからこそ、目立たず、着実に財産を積み上げる心構えが必要です。
③自分に適した報酬を受けるべき
3つ目の教訓は、「自分に適した報酬を受け取る」ということです。
雀たちはソロモン王からの褒美を議論した際に、「いつでも身を隠しておけるブドウ畑」「いつでも水が飲める池」など、本質的に彼らに適したものも思いついており、それらを願うこともできました。
しかしながら、ソロモン王と同じ金の冠をかぶることの誇らしさや格好良さといった、本来必要としない欲求を求めて、金の冠をソロモン王に要求しました。
また、雀たちの行いに対して「全員に金の冠」というのも、少し過剰な要求にも思えます。
ソロモン王は雀たちの願いが、彼らにとって適したものではないと分かっていたからこそ、
「それはあまりいい考えではないな」と考え直すことを促したのです。
つまり、ここで大切なことは、自分にとって本当に必要で、適切な報酬を見極める事が重要であるということです。
上記の三つの教訓を踏まえて、身を滅ぼさない財産の扱いを意識していきましょう!
ユダヤ人の発想の違い
「金の冠をかぶった雀」の説話はいかがだったでしょうか。
本書には、他にも、37の説話とそこから得られる様々な教訓の解説があります。
最後に、この説話の教訓が土台となっている、ユダヤ人の「受け取る利益に対する考え方」について紹介させていただきます。
「自分の受け取る利益の適正さ」を把握することに自覚的
ユダヤ人は「自分の受け取る利益の適正さ」を把握することを訓練します。
大半の人は、身に余る報酬であっても「ラッキーだ」などと思って受け入れるでしょう。
それどころか、他人に自慢する人もいるでしょう。
しかしながら、その結果に訪れる破滅は前述のとおりです。
実際、アメリカの巨額の宝くじ当選者が、その後に詐欺師や周りの人に狙われ、不幸になった話は度々TVなどで紹介されます。
一方、ユダヤ人は、不適正な利益を戒めるため、「受け取る利益の適正さ」を把握することを意識しています。過剰、不必要、不正な利益は身を滅ぼすことを心得ています。
子供の頃からタルムードの説話を通して、こうした考え方を身につけているからこそ、彼らは大切な財産を長きに渡り守り、成功を築いていくことができるのだと感じました。
ここまで記事お読みいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか?
本書について気になった方は、ぜひお読みになってみてください!
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